ポジティブシンキングは上手くいかない?①

私の治療院では自律神経失調症や鬱で来院される方がとても多いのですが、その際によく患者さんから聞かれる言葉があります。

カラダの不調がなかなか自分の思い描いているように改善していかない時に、

「先生ポジティブシンキング、何事もプラスに考えればいいことにつながるんですよね?カラダもいい方向に向かうんですよね?」

確かにカラダや人生を良い状態にコントロールするには、ポジティブシンキングも必要ですが…

 

健康で望む人生を幸せに暮らしていくためには、そのポジティブシンキングと、エネルギーを浪費し消耗を誘うばかりの“否定的な考え方・失敗した過去ばかりに目が行く考え方”の習慣を改善していくことが必要となります。

ここで注意が必要なのは、

ポジティブシンキングの習慣を持ったとしても、過去の私のようにポジティブシンキングしようとして失敗して、あげくのはてますますエネルギーを消耗してしまうケースも多々あるという事。

 

かつて自分の会社を倒産させてしまった失敗から立ち直ろうと、日々ハローワークに足しげく通い合計50社ほどの面接を受けました。

履歴書の書き方や面接の練習も何回もさせて頂きました。
自分を必要としている企業は必ずある!そう毎日自分に言い聞かせ、鏡を見て笑顔を作っていました。

でも結果は1社も受からず、この世に自分を必要としている人は誰もいない…と鬱になっていったのです。

 

全力で取り組んだのに結果的にうまく行かなかった場合、心的にも身体的にもできることはすべてやり尽くしたと考え、絶望的な思いに追い込まれてしまうのです。

 

ポジティブシンキングで失敗してしまう多くの人が見落としているのが、顕在意識と潜在意識の関係性にあります。

顕在意識は、未来に思いをはせたり過去を振り返ったり時空を超えて、頭の中で問題を解決しようとすることができます。つまり、顕在意識が「ポジティブシンキング」を呼び起こします。

一方、潜在意識は主に外からの刺激に対する反応(自分の感情)が膨大に蓄積された収納庫といえます。

これは経験から学習したことや本能によるもので、潜在意識は基本的に6歳までに得た習慣を変えません。

生活の中で外からくる刺激(情報)に対し、完璧なまでに同一の行動パターンを繰り返します。

 

ちゃんとドアを締めなさい!と、ついカッとなってしまうことはありませんか?

子供のころから、ちゃんとドアは閉めなさいと親や先生に訓練されてきたので、開けっ放しのドアを見つけると「反応」して自動的にカッとなってしまう。

 

これが潜在意識による、外からの刺激に対する「自動反応」。

 

ここで、神経学的な処理能力についてみると、潜在意識は顕在意識よりも百万倍以上に強力であることが言えます。

顕在意識と潜在意識の力の差は、蟻とアフリカ象ほどの違いもあるのです。

 

顕在意識では「自分は出来る!」と叫んでいても

潜在意識が「経験上無理!」って「自動反応」していれば出来るわけはないのです。

 

つまり…私たちが抱えている最大の問題は、

「自分の人生は、自分の意識(顕在意識)が創る願いや願望で動かしている」と思い込んでいるところにあるのです。

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