ー変わらないために変わり続けるー

ー変わらないために変わり続けるー

ある田舎の漁村に暮らす男は、自分の船をなにより大切にしていた。

どこか壊れていないか?板は腐ってないか?

絶えず船の状態を気にかけ手入れを怠らなかった。

熱心に手入れを続けているうちに船の板はどんどん入れ替わり、、、
ついにはすべての板が新しくなった。

ふと、男は考えた。

俺は自分の船を大切にしながらずっと乗り続けてきた。

だが、

よくよく考えてみるといまここにある船は、
確かに俺の船だが、使っている板はすべて新しい。

果たしてこれは、本当に俺が大切に思っていた
あの船と言えるのだろうか?

ひょっとして、これはまったく別の船ではないか?

でも、

それならいったい、いつ、元の船でなくなったのか?

 

さて、この哲学的問いかけにあなただったらどのように答えますか?

ポイントはこの男がこの船を動かし続け、

この船で漁をし続けたいと望んでメンテナンスをし続けたところにあります。

男にとって大切なのは「安全かつ快適に漁ができる」という価値であって、
新しい板ではありませんね。

この男は無意識のうちにかもしれませんが、傷んだ板を新しい板に取り換えるなどして
「安全かつ快適に漁ができる」という目的を叶えるために、

あちこち傷んだ部分を不断に変えていくことをし続けたのです。

「変わらないためには変わり続けなければならない」

 

これは私たちの身近なところでも見受けます。

清涼飲料水やアルコールなどの飲料ブランドの多くが常に味の改良に取り組んでいます。

飲んでる方からすると長年変わらぬ味を提供し続けてくれているように思えますが、

「変わらない、〇〇ならではの味」

を届け続けるためには、時代とともに移り変わる人々の味覚や競争の変化に合わせ
不断の品質改良で味を変え続けなければならないのです。

ビジネスも人間も同じではないでしょうか?

たとえ変化することを望まなくても、変化を避けることはできない。

そんなことを考えます。